Drag-Free Drifts

金の斧・銀の斧( Flyfishing編)

3年前にあるフライショップのお誘いで
奥日光の菅沼に一泊二日の釣行に参加した。
その時の嘘のような本当の話である。

9月の中旬で菅沼は朝晩には冷え込む時期になって
湖の釣りに最適な条件を満たしていた。
その年は大尻沼がオープンの年で、
菅沼はクローズされていたので、釣り人がまったく入っていない
まさに釣り人にとって天国。
参加したのは有名フライショップ3店で募集した30名。
フライ関連の雑誌で活躍されているエキスパートのかたも数名お見受けした。
d0016085_21305720.jpg

午前中は風もなく凪ぎの状態で湖面にはライズも見える。
カメムシ、ユスリカ、テレストリアルなどドライでも何尾か
40cm前後のアベレージサイズが釣れた。
この日使ったロッドはその年の新製品で超軽量のWET用10ft.カーボンロッド 。
私には新しいロッドを使った日はなぜか釣れるジンクスがある。

支給のお弁当を食べて午後も引き続きボートを漕いでポイントへ。
山の天気は変わりやすいというが、雲がかかったとおもったら雨が降り出した。
対岸のポイントまで急いで行こうとロッドにシンキングラインを結び
フライはワカサギストリーマ。

どうせ釣れないだろうと、竿先をボートの後ろから1mほど出し
ハーリングしながら全速力でボートを漕ぐ。
菅沼の最深部30m付近にさしかかった頃、
ロッドががくがく振るえ、あっという間に湖に引きずり込まれた。
最初はなにが起こったのか理解できずにいたが、
慌ててボートを旋回。
20mほど向こうにロッドが見える。
急いで引き返すが5mほどに近づいた時、
竿先から湖底に向かって沈み始めたではないか!
ボートがロッドの手の届く範囲にきたときにはタイミング悪く
既に手の届かない深さに、ロングネットで捕まえようとしても無駄であった。
その後、雷がなり土砂降りの中浮いてこないかとボートを30分ほど漕ぎ続けるが
完全に見失った。
夕方までスペアのロッドで釣りもしたが、精神的に釣りどころではなく
早々に引き上げ、風呂に入り冷えた身体を暖めた。

ここ菅沼のキャンプサイトには数棟のロッジがあり宿泊が可能。
(電気がないので、古いランタンが装備されているが、めちゃくちゃ暗い。)
夕食も食材が用意されており、この日はみんなで楽しめる焼き肉でした。
同行者の皆さんに、沈んで元気の無い姿を見せるのも失礼かと、
明るく振る舞う自分がいました。
フライの場合ラインが出たまま沈んでいれば他の釣り人がラインを引っ掛けて
ロッドを回収できる可能性があると、自分に言い聞かせ。その日は早めに就寝。

ウトウトしてると外で何やら騒いでいて、叩き起こされました。
外に出ると、その日最後まで釣りをしていた二人のフィッシャーがいて
ロッドを拾ったので所有者がいないか探しているとの事。
メーカー、長さ、などわたしのロッドの特徴を話すと一致!

詳しい話を聞くと、釣りを終了して帰る途中に。ロッドが目の前を泳いでいたそうです。
追いかけて回収し、リールを巻き取ると50cmのレーンボーがフライを
がっちり銜えていたそうです。
ロッドを引っぱりながら泳いでいたが、疲れて表層付近まで浮いてきたところを
偶然にも発見されたということだったのです。
まさに奇跡のような偶然とはあるんですね。
その後、元気になった私は皆さんと合流して夜更けまで酒盛りとなりました。

菅沼にはイソップ寓話に出てくる湖の精がいる。

「あなたの落としたのはこのレナードの100万円のバンブーロッドですか?」
「ち、ち、違います」

「あなたが落としたのはこのハーディのリールですか?」
「ま、ま、まったく違います」

「あなたの落としたのはこの WET RODですか?」
「は、はいそれです!」

お話では正直もののおじいさんは全てを貰えることになっているが?
という夢を見ながら朝日とともに起床。


翌日は朝まで降り続いた雨も上がり、美味しい朝食を高原の清々しい空気の中で食べ。
ロッドも受け取り2日目の釣りを開始。
岸際を回遊するレインボーをでかいチェルノブイリアントで何尾も釣り、
昼過ぎに終了となりました。
d0016085_22113889.jpg


イソップ寓話 金の斧・銀の斧ではその後落ちがあって
業突く張りのおじいさんが真似をしてわざと斧を放り込み、
精に金の斧にハイと答えて自分の斧さえ没収されている。

実はこの時、湖にロッドを捕られたのは私だけでなく
もう一人いた。(フライでは有名なかたなので名前はだせない)
その方はボートを停めて、シンキングラインのロッドをキャストして
そのままアタリを待ち、その間にドライフライの釣りをもう一本のロッドでやられて
いたそうな。いわゆる二刀流。
油断したすきにシンキングラインのほうにかかってしまい
ロッドをもって行かれたそうである。
そのロッドが回収された話はいまだ伝わってこない。
(そのかたの名誉のために。この記事のイソップの話とはなんら関係ありません。気に障られたらお許しください。)
[PR]

by light_cahill | 2005-11-13 22:31 | flyfishing
<< リバー魚ッチング(日光湯川#1) 10℃ >>